訪問看護師の『これだけは言いたい!』その1~現在の日本の訪問看護制度について~ | 訪問看護師の求人・募集ガイド【探し方から業務内容まで】

訪問看護師の『これだけは言いたい!』その1~現在の日本の訪問看護制度について~

平成24年度の医療・介護報酬ダブル改定で訪問看護は他分野に比べ報酬の増額や新設が多く、「優遇されている」という印象を持たれているようです。
しかし、これらはほとんどが「加算」という扱いで本体の訪問看護費・訪問看護療養費の増額ではありません。
つまり、加算を取れるような体制の訪問看護ステーションでなければ増収には結びつかなかったのです。

それらの加算を取れる体制となると、24時間対応できて重症者やターミナルケアの利用者を増やせるステーションということになります。
つまり、現在の訪問看護制度では、設置基準ぎりぎりで運営しているような小規模ステーションはあまり恩恵を受けていないのです。

中央社会保険医療協議会が平成24年度改定の影響を調査した結果では、難病・がん等の患者が増加し、医療依存度も高くなっている・規模の小さい(概ね5人以下)訪問看護ステーションは24時間対応体制加算の届出をしている割合が約半数と少ない・ステーション数そのものは微増・職員数5人以上のステーションが増えてきている、となっており、ステーションの大規模化・あるいはサテライト方式で連携する必要があるとしています。

また、同調査では患者が訪問看護に求めることとして、「24時間対応」や「病状が重くなった際の対応」「頻回な訪問でも対応してもらえる」が上位を占めている、という結果も出ています。(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000032e8y-att/2r98520000032ee0_1.pdf

しかし、これらの「患者側の期待」を、大規模化や複数ステーションの連携で対応できるでしょうか。
確かに24時間対応や頻回の訪問を無理なく組んでいくためには、ある程度のスタッフ数は必要です。
けれども、規模が大きくなれば利用者数も増えるわけで、数十人~百人以上の利用者の「本日の状態」を当番者が遺漏なく把握するのは困難です。
サテライトや別事業所と連携するとなると、それは情報保護の観点からも不可能に近いです。

となると、カギはIT化でしょう。
テレビ電話を利用した遠隔医療実験や訪問看護の試験運用があちこちで始まりましたが、これが手軽に行えるようになると、多機能電話等で出先からでも電話相談ができたり、緊急訪問件数を抑えることができ、フットワークの軽い小規模ステーション同士で協力する道が拓けるかも知れません。
サテライトや他事業所でも多機能電話やPCで情報共有できれば、所属するステーション以外でも対応できる可能性が出てきます。
ただ、その場合は待機や電話相談でもきちんと報酬がつくように「待機連携」を加算として制度化したり、通信システムの整備・通信費の助成などをする必要があります。